タイトル
第63巻第7号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 原著 ─

間質性肺炎合併非小細胞肺癌に対してドセタキセル+ラムシルマブ併用療法で加療を行った症例群に関する後方視的検討

田口 禎浩1, 平山 龍太郎1, 片山 一成1, 山本 遥加1, 長井 敦1, 上田 創1, 廣瀬 未優1, 杉本 英司1, 中村 行宏1, 山口 修1
1愛媛大学大学院医学系研究科循環器・呼吸器・腎高血圧内科学

目的.間質性肺炎合併肺癌に対する化学療法は確立しておらず,経験的治療が行われていることが多い.二次治療以降においては一次治療以上に報告が少なく,当院において二次治療以降でドセタキセル+ラムシルマブを用いた症例群を報告する.また,間質性肺炎増悪と血管内皮増殖因子の関連が示唆されており,血管新生阻害薬であるラムシルマブを併用することとドセタキセル単剤の安全性を比較・検討する.方法.2017年4月から2021年4月の期間で間質性肺炎合併非小細胞肺癌に対して,二次治療以降でドセタキセル+ラムシルマブを投与した症例群を後方視的に解析した.結果.全7症例.年齢中央値は66歳,男性が6例,腺癌が5例・扁平上皮癌が1例・not otherwise specifiedが1例,特発性間質性肺炎が4例,うち特発性肺線維症が1例であった.間質性肺炎増悪を来したのは特発性肺線維症の1例のみで,増悪による死亡はなかった.生存期間中央値は274日,無増悪生存期間中央値は186日であった.結論.間質性肺炎合併非小細胞肺癌の二次治療以降においてドセタキセル+ラムシルマブは今後も症例集積を行っていくレジメンの一つであると考えられる.
索引用語:肺癌, 間質性肺炎, 急性増悪, ドセタキセル, ラムシルマブ

受付日:2023年5月8日
受理日:2023年9月5日

肺癌 63 (7):946─952,2023

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