タイトル
第63巻第7号目次 In Japanese

─ 編集後記 ─

編集後記

佐藤 之俊
北里大学医学部呼吸器外科学

今期から編集委員に加わりました.何卒よろしくお願い申し上げます.地球温暖化の影響でしょうか,秋の紅葉の時期が不明瞭で冬の訪れが遅れていますし,あちらこちらで熊による人身被害が報道されています.さて,第7号の内容ですが,Invited review articleが2編掲載されています.1編はロボット支援下肺癌手術の現状と展望で,本邦における手術の現状と成績,今後の展望などについて解説されています.もう1編は,肺癌で全身化学療法中の少数転移病変が増悪を示した病態(oligoprogression)に関し,局所制御療法を中心に解説されています.また,原著論文は1編で,間質性肺炎合併肺癌の化学療法で二次治療以降におけるドセタキセルとラムシルマブは検討すべきレジメンのひとつであることが示されています.さらに,症例の報告としては9編が掲載され,薬物療法に関連した論文が多くありました.いずれの論文も日常診療で突き当たる課題解決の参考となる知見が提供されています.近年,肺癌をはじめとして胸部悪性腫瘍の治療が急速に進歩しています.その一方で,超高齢化社会ならではの問題も注目されています.本雑誌をはじめとして,多くの知見が超高齢化社会における「おおむね在宅,時々入院,誰もが卒業」につながることを願ってやみません.会員の皆さまと一緒に,「肺癌」をさらに良い学術雑誌として発展させていきたいと考えておりますので,引き続きご協力ご指導をよろしくお願い申し上げます.

肺癌 63 (7):1024─1024,2023

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