日本呼吸器学会雑誌 ONLINE JOURNAL
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Article in Japanese
原 著
限局性 usual interstitial pneumonia の存在は diffuse alveolar damage の重要な危険因子―限局性UIP例の急性増悪―
河端 美則1）2）, 福島 一雄1）3）, 内山 隆司1）4）, 杉田 博宣4）, 木村 文平5）
〒360-0105 大里郡江南町板井1696
1）元結核研究所病理, 2）埼玉県立循環器呼吸器病センター検査部, 3）国療再春荘病院呼吸器内科, 4）複十字病院呼吸器内科, 5）東京健生病院胸部外科
要 旨
限局性 usual interstitial pneumonia 病変（F-UIP）が diffuse alveolar damage（DAD）の危険因子か否かを検討した．対象は977剖検肺で男性681例，女性296例，平均年齢は64歳だった．F-UIP の頻度は加齢と共に増加した．50代の3%，60代の8%，70代の14.2％，ならびに80代の27.9％の4群間には各々有意差（p＜0.05またはp＜0.01）をみた．UIP 無し群と F-UIP を有する群の平均年齢は64歳と75歳で有意差（p＜0.001）をみた．DAD の合併は F-UIP のある100例で30％，びまん性 UIP を有する60例でも30％であり，UIP の無い817例の5.3％と比較し，いずれも有意に高値（p＜0.01）であった．DAD の原因は様々だが，F-UIP の存在も DAD の重要な危険因子と考えた．
キーワード：限局性 UIP 病変, 特発性 UIP, びまん性肺胞傷害, 急性増悪
受付日：平成12年4月17日
日呼吸会誌, 39(5): 316-321, 2001
