日本呼吸器学会雑誌 ONLINE JOURNAL
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Article in Japanese
原 著
肺内リンパ節症例の臨床病理学的検討
武政 聡浩1）, 坂東 政司1）, 村山 史雄2）, 蘇原 泰則2）, 弘中 貢3）, 杉山 幸比古1）
〒329-0498 栃木県河内郡南河内町薬師寺3311-1
1）自治医科大学呼吸器内科, 2）同 呼吸器外科, 3）同 病院病理部
要 旨
1990年より1999年までに当院で開胸または胸腔鏡下切除術を行った肺内リンパ節12症例およびこれまでの本邦報告例について臨床病理学的検討を行った．自験例は男性9例，女性3例で，平均年齢63.1歳，喫煙歴は8例（67％）に認めた．画像上大きさは，径10 mm 以下のものが11例（92％）であった．胸膜直下の辺縁平滑な小結節性病変が画像上の特徴的所見であったが，肺血管の巻き込み像や，複数の結節を呈する多発結節なども認められた．組織学的には，被膜を有するリンパ節で全例炭粉沈着を認めた．また，3例でシリカの沈着を認めた．肺内リンパ節は肺内小結節性病変の鑑別疾患の一つとして重要であり，悪性腫瘍との鑑別が困難な際には侵襲の少ない胸腔鏡下手術が有用であると考えられた．
キーワード：肺内リンパ節, 小結節性病変, 胸腔鏡検査
受付日：平成12年8月15日
日呼吸会誌, 39(5): 322-327, 2001
