日本呼吸器学会雑誌 ONLINE JOURNAL
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Article in Japanese
原 著
NADPH/NADH oxidase の遺伝子多型とびまん性汎細気管支炎（DPB），慢性閉塞性肺疾患（COPD）との関連についての検討
石井 健男1）, 慶長 直人2）, 寺本 信嗣3）, 吾妻安 良太4）, 工藤 翔二4）, 福地 義之助5）, 大内 尉義1）, 松瀬 健6）
〒113-8655 東京都文京区本郷7-3-1
1）東京大学医学部付属病院老年病科, 〒162-8655 東京都新宿区戸山1-21-1
2）国立国際医療センター研究所呼吸器疾患研究部, 〒107-0052 東京都港区赤坂8-5-32 山勝ビル4F 国際医療福祉大学東京事務所, 3）国際医療福祉大学, 〒113-8603 東京都文京区千駄木1-1-5
4）日本医科大学第4内科, 〒113-8421 東京都文京区本郷2-1-1
5）順天堂大学医学部呼吸器内科, 〒232-0024 神奈川県横浜市南区浦舟町4-57
6）横浜市立大学医学部附属市民総合医療センター
要 旨
びまん性汎細気管支炎（diffuse panbronchiolitis; DPB）と慢性閉塞性肺疾患（Chronic obstructive pulmonary disease; COPD）は病態の中心的役割を好中球が担うと考えられ，両疾患とも遺伝性因子が発症に関連するとの報告がなされている．顆粒球・macrophage・B cellのsuperoxide anion の生成に寄与する NADPH/NADH oxidase の subunit である p 22 phox の C 242 T の遺伝子多型に関して，DPB・COPD の患者群と対照群における分布の差を検討した．血液検体からの Genomic DNA にて Polymerase chain reaction（PCR）と restriction fragment length polymorphism（RFLP）を行った結果，C allele の頻度が DPB 群（n＝82），COPD 群（n＝53），及び対照群（n＝82）においてそれぞれ0.91,0.92,0.92であり，遺伝子多型の分布における3群間の差は見られなかった．DPB，COPD の病態解明のため，両疾患とも他の好中球機能関連遺伝子の多形解析が必要と考えられた．
キーワード：NADPH/NADH オキシダーゼ, 遺伝子多型, び慢性汎細気管支炎, 慢性閉塞性肺疾患
受付日：平成12年9月27日
日呼吸会誌, 39(5): 328-332, 2001
