日本呼吸器学会雑誌 ONLINE JOURNAL
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Article in Japanese
症 例
肺好酸球性肉芽腫症3例の比較
新谷 康, 藤原 清宏, 中川 勝裕, 菊井 正紀＊, 安光 勉
〒583-8588 大阪府羽曳野市はびきの3-7-1 大阪府立羽曳野病院外科
＊同 病理診断科
要 旨
臨床症状，画像所見，病理組織像が異なる肺好酸球性肉芽腫症（以下 EG）の3症例を報告する．【症例1】55歳，男性．無症状であり HRCT で EG に典型的な嚢胞性病変と粒状影を認め，組織学的には線維化優位な病変であった．【症例2】28歳，女性．両側気胸で入院し，HRCT で両肺びまん性に大小多数の嚢胞性病変を認めた．組織学的に細胞成分が多く活動性の高い繁殖性空洞壁を形成していた．【症例3】32歳，女性．労作時呼吸困難があり，CT で蜂窩肺を認めた．組織学的に好酸球およびランゲルハンス細胞を伴う気腫性病変を認め，13カ月後に呼吸不全で死亡した．EG の予後は比較的良好とされているが，蜂窩肺に至り死亡する症例もある．確定診断は肺生検によるが，病期や病巣分布の把握には画像診断が有用である．広範囲な活動性病変をもつ場合には気腫性変化が進行し予後不良であると考えられた．
キーワード：肺好酸球性肉芽腫症, 高分解能 CT, 外科的肺生検
受付日：平成12年4月6日
日呼吸会誌, 39(5): 333-337, 2001
