日本呼吸器学会雑誌 ONLINE JOURNAL
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Article in Japanese
症 例
両側乳糜胸で発症した胃癌の1例
山田 政司, 工藤 新三, 平田 一人, 吉川 純一
〒545-8585 大阪市阿倍野区旭町1-4-3 大阪市立大学第1内科
要 旨
両側乳糜胸で発症したスキルス胃癌の1例を経験した．症例は58歳の女性，右急性鎖骨下静脈血栓症で入院した．入院後，徐々に労作時呼吸困難を認め，胸部 X 線写真で両側胸水を認めた．胸水は両側とも乳糜で，細胞診で粘液産生性腺癌細胞を多数認め，また，上部消化管造影よりスキルス胃癌と診断した．両側乳糜胸で発症する胃癌は非常に稀であるが，乳糜胸の原因を検索する上で，胃癌も鑑別する必要があると考え報告した．
キーワード：乳糜胸, 胃癌
受付日：平成12年6月16日
日呼吸会誌, 39(5): 343-346, 2001
