日本呼吸器学会雑誌 ONLINE JOURNAL
書誌情報
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Article in Japanese
原著
肺小細胞癌の治療効果判定におけるFDG-PETの有用性（pilot study）
磯部 和順1）, 鏑木 教平1）, 阪口 真之1）, 高井 雄二郎1）, 秦 美暢2）, 本間 栄1）
〒143-8541 東京都大田区大森西6-11-1
1）東邦大学医療センター大森病院呼吸器内科
2）同 呼吸器外科
要 旨
肺小細胞癌の治療効果判定におけるFluoro-2-deoxyglucose positron emission tomography（PET）の有用性を検討した．対象は2004年8月～2008年5月まで当院で加療を行った小細胞癌25例．治療前，1コース後，4コース後の治療効果判定にPETを追加し，CT（RECIST基準）とPETによる効果判定[CMR（Complete Metabolic Response），PMR（Partial Metabolic Response），SMD（Stable Metabolic Disease），PMD（Progressive Metabolic Disease）]を比較検討した．1コース後の効果判定では25例中2例（8％）が不一致で，CTではSD，PRであったが，PETではPMDであった．4コース後では19例中3例（16％）が不一致で，うち2例はCTではPRであったが，PETではCMRであった．PETによる治療効果判定は，再発の早期発見，予後の予測に有用であることが示唆されたが，更なる症例の集積が必要であると考えられた．
キーワード：肺癌, 小細胞癌, FDG-PET, 治療効果判定
受付日：平成21年5月11日
日呼吸会誌, 47(12): 1077-1081, 2009
