日本呼吸器学会雑誌 ONLINE JOURNAL

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Article in Japanese

症例

喀痰・胸水中より虫卵を認めたウエステルマン肺吸虫症の1例

谷尻 力, 米津 精文, 鳥居 芳太郎, 杉本 博是, 横井 崇, 福原 資郎

〒573-1191 大阪府枚方市新町2丁目3番1号
関西医科大学第一内科

要 旨

症例は28歳,男性.1年前から血痰を認めていたが放置し,悪化するため当院受診.受診時の胸部レントゲン上,右胸水,左水気胸,多発結節陰影を認めた.詳しく問診したところ,血痰を認める1年前に生蟹をキムチ漬けにしたケジャンを友人と共に摂食していたことが判明した.末梢血好酸球増多と血清IgE高値を認めた.喀痰,胸水中より認めた虫卵の形態,および血清学的検査よりウエステルマン肺吸虫症と診断した.胸腔ドレナージは不良であったが,プラジカンテル(Praziquantel)75 mg/kg/日×3日間による内服加療により,自覚症状や画像所見の改善を認めた.一緒に摂食した友人は1カ月後に発症しており,本症が発症した場合には,感染食材を扱った調理場で料理された食品を摂食した者も含めて経過観察をする必要があると考える.

キーワード:ウエステルマン肺吸虫症, ケジャン, 虫卵, 慢性胸膜炎, 血痰

受付日:平成21年5月12日

日呼吸会誌, 47(12): 1131-1134, 2009