日本呼吸器学会雑誌 ONLINE JOURNAL

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Article in Japanese

症例

エンドトキシン吸着療法が著効した急性間質性肺炎の1例

島田 昌裕1), 赤川 志のぶ1), 川島 正裕1), 益田 公彦1), 田村 厚久1), 蛇澤 晶2)

〒204-8585 東京都清瀬市竹丘3-1-1
1)独立行政法人国立病院機構東京病院呼吸器内科
2)同 病理

要 旨

症例は65歳男性で,びまん性スリガラス陰影を呈し急速に進行する呼吸不全にて入院した.経気管支鏡的肺生検によりびまん性肺胞傷害所見が示され,感染症などの基礎疾患が否定的なことから急性間質性肺炎(Acute interstitial pneumonia:AIP)と診断した.ステロイドパルス療法にて明らかな改善が得られなかったため,エンドトキシン吸着療法(polymyxin B-immobilized fiber column direct hemoperfusion;PMX-DHP)を施行したところ著効した.急性間質性肺炎を疑われる症例ではステロイドパルス療法が無効の場合,エンドトキシン吸着療法は治療として考慮されるべき選択枝の一つと思われた.

キーワード:エンドトキシン吸着療法, 急性間質性肺炎, びまん性肺胞傷害, 急性呼吸窮迫症候群

受付日:平成21年5月14日

日呼吸会誌, 47(12): 1141-1146, 2009