日本呼吸器学会雑誌 ONLINE JOURNAL
書誌情報
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Article in Japanese
原著
バレニクリン（varenicline）の有効性を維持する内服方法
鬼澤 重光1）, 谷口 治子2）3）, 野津 朋子1）, 浅野 明日香4）, 桂 秀樹4）, 斉木 久美子5）, 木口 俊郎5）, 長谷川 瑞江1）, 永井 厚志1）
〒162-8666 東京都新宿区河田町8-1
1）東京女子医科大学第一内科
2）手稲渓仁会クリニック
3）大道内科・呼吸器科クリニック
4）東京女子医科大学付属八千代医療センター呼吸器内科
5）木口内科クリニック
要 旨
バレニクリン（varenicline，チャンピックス®）は内服用のニコチン依存症治療薬であり，α4β2ニコチン受容体部分作動薬である．禁煙治療の有効性をより維持する本剤の内服方法を検討した．6施設の外来に複数回来院して副作用の有無を確認できた148例（男性113例：女性35例；平均年齢54.4±14.0歳）を対象とした．4週間禁煙成功率は，治療期間4週以下群，5～8週群，9～12週群でそれぞれ17.6％，75.0％，84.6％であり，有意な治療期間依存性を認めた．何らかの副作用がある83例では，経過観察群76.9％，対症薬群92.3％，減量群54.5％，中止群55.6％，嘔気56例では，経過観察群80.8％，対症薬群100.0％，減量群61.1％，中止群50.0％であり，対症薬群は減量群と中止群より有意な禁煙成功率を認めた（各々p＜0.05）．副作用が生じたとき本剤の有効性を最大限維持する内服方法として，常用量を維持するための対症薬を投与しつつ12週間をフルに利用した治療戦略が推奨された．
キーワード：バレニクリン, 禁煙, 副作用, 嘔気
受付日：平成21年10月7日
日呼吸会誌, 48(11): 791-796, 2010
