日本呼吸器学会雑誌 ONLINE JOURNAL
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Article in Japanese
原著
肺Mycobacterium avium complex症持続排菌症例における薬剤感受性試験
立石 善隆, 元根 正晴, 好村 研二, 三木 真理, 三木 啓資, 北田 清悟, 橋本 尚子, 平賀 通, 前倉 亮治
〒560-8552 大阪府豊中市刀根山5-1-1
国立病院機構刀根山病院内科
要 旨
標準化学療法後も排菌が持続する肺Mycobacterium avium complex症例から得た臨床分離株48例について，リファブチン（rifabutin；RBT）および新規フルオロキノロン系薬剤（novel fluoroquinolones；NFQs）を含めた薬剤感受性を検討した．新規薬に対する感性例は従来薬よりも多く，抗菌活性も有意に高かった．RBTはリファンピシン（rifampicin；RFP）と交叉耐性を示さなかったが，NFQsは交叉耐性を示した．クラリスロマイシン（clarithromycin；CAM）耐性例や，RFP耐性例でも，多くの症例でRBTやNFQsに感性であった．以上より，RBTおよびNFQsは，標準化学療法後の持続排菌肺MAC症例においても良好な抗菌活性を有しており，これらを組合せた化学療法の有効性が期待される．
キーワード：Mycobacterium avium complex, 薬剤感受性, 最小発育阻止濃度, リファブチン, 新規フルオロキノロン系薬剤
受付日：平成22年4月9日
日呼吸会誌, 48(11): 797-802, 2010
