日本呼吸器学会雑誌 ONLINE JOURNAL
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Article in Japanese
症例
好酸球およびIgEが高値を示した慢性壊死性肺アスペルギルス症の1例
森田 博紀, 小栗 鉄也, 上村 剛大, 岩島 康仁, 中村 敦, 佐藤 滋樹
〒467-8601 愛知県名古屋市瑞穂区瑞穂町字川澄1
名古屋市立大学病院呼吸器内科
要 旨
76歳，男性．気管支喘息・肺気腫で近医通院中，呼吸困難がみられ，肺炎の疑いで当科紹介．スルバクタム・セフォペラゾンおよびクラリスロマイシンが効果不十分，左上葉の空洞性病変の出現，膿性痰からのAspergillus属の検出，Aspergillus fumigatus沈降抗体陽性から慢性壊死性肺アスペルギルス症と診断した．また，血液検査で好酸球・IgEが高値を示し，アスペルギルス特異的IgEが陽性であった．ミカファンギンおよびイトラコナゾールを投与し，空洞性病変の縮小，好酸球・IgEの低下が認められた．本症例は，アスペルギルスに対するアレルギー反応を伴った慢性壊死性肺アスペルギルス症と考えられた．
キーワード：慢性壊死性肺アスペルギルス症, 好酸球, IgE
受付日：平成22年3月25日
日呼吸会誌, 48(11): 842-846, 2010
