日本呼吸器学会雑誌 ONLINE JOURNAL
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Article in Japanese
症例
健康な若年女性に発症したMycobacterium kansasiiの3症例
大西 司, 楠本 壮二郎, 山口 宗大, 大木 康成, 佐藤 将之, 杉山 智英, 白井 崇生, 中嶌 賢尚, 山岡 利光, 奥田 健太郎, 廣瀬 敬, 足立 満
〒142-0064 東京都品川区旗の台1-5-8
昭和大学呼吸器アレルギー内科
要 旨
Mycobacterium kansasii症は非結核性抗酸菌症の約20％を占め，通常は男性に多く，女性例は気管支炎型が多いとする報告がある．今回基礎疾患のない比較的若年女性に発症した空洞型の3例を経験したので文献的考察を加え報告する．症例1は35歳，検診で両側肺尖部に薄壁空洞性病変を認め紹介，喀痰および気管支鏡検体でM. kansasiiが同定された．症例2は23歳，血痰を主訴に受診，右肺尖部に薄壁空洞性病変を認め，喀痰検査でM. kansasiiが同定された．症例3は43歳，検診で左肺尖部に薄壁空洞性病変を認め紹介，気管支鏡検体でM. kansasiiが同定された．症例1はRFP，EB，LVFXの3剤で，症例2，3はINH，RFP，EBの3剤で改善を認めた．健常な若年女性の肺尖薄壁空洞例にM. kansasii症の存在を考慮する必要があると思われる．
キーワード：Mycobacterium kansasii症, 若年女性, 空洞性病変
受付日：平成22年9月22日
日呼吸会誌, 49(6): 426-431, 2011
