セッション名 | 気管支喘息 呼吸生理 |
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【目的】長期管理下にある喘息患者のFEV1年間低下量(ΔFEV1)を調査し,airflow limitationとの関係について検討した.【方法】定期的に毎年1回,4年以上肺機能検査を行っている長期管理下の喘息患者について,SABA吸入後のΔFEV1を単回帰分析にて算定した.また,ΔFEV1の標準化は元のFEV1に対する割合としてΔFEV1/FEV1(%)として表した.【結果】解析症例は150名(男78名,女72名),年齢60.4±14.6歳,FEV1(男2.09±0.76L,女1.79±0.61L),%FEV1(男79.5±21.2%,女86.6±18.9%),平均観察期間6.5±1.0年であり,ΔFEV1(男-46.9±45.7ml/y,女-34.6±33.1ml/y),ΔFEV1/FEV1(%)(男-2.43±2.52%,女-2.05±2.31%)であった.また,ΔFEV1/FEV1(%)のairflow limitationとの関係では重症%FEV1<60%群:-4.96±3.17%,中等症60%≦%FEV1<80%群:-2.98±2.51%,軽症80%≦%FEV1<100%群:-1.50±1.62%,最軽症100%≦%FEV1群:-0.99±1.18%であり,重症vs中等症vs軽症にそれぞれ有意差を認めた(全てP<0.01).【結論】喘息患者のΔFEV1は治療下に於いてもairflow limitationが強い重症ほど大きな割合で低下する傾向にある.