一般社団法人日本呼吸器学会
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学術講演会抄録集

セッション名 気管支喘息 呼吸生理
PP417
 
気管支喘息患者におけるβ2刺激薬吸入前後の肺年齢の変化と呼吸機能との関連について
河野洋二1),岸本伸人1),美藤文貴1),中村洋之2),山地康文2),亀井 雅2),多田慎也2),上田暢男2)(高松市民病院呼吸器科1),北四国呼吸器疾患共同研究グループ2)

 背景,目的:日本呼吸器学会から提唱された肺年齢は,人間ドックを中心に普及しつつある.気管支喘息やCOPD患者は,定期的に呼吸機能を測定しているが,検査値を十分理解できていないことが多く,そこで,肺年齢を指標にすることで薬剤の効果を実感できると考え,β2刺激薬吸入前後の肺年齢の変化などを検討した.対象と方法:喘息患者20例(男性4例,女性16例,平均年齢54.3歳,FEV1.0 1.92±0.77L)を対象とした.マスタースクリーンIOSおよびボデイプレチスモグラフを用いて,呼吸機能を測定,塩酸プロカテロールを2吸入(20μg)し15分後に同様の測定を行った.結果:吸入前後で肺年齢は91.4±25歳から86.1±25.5歳と低下,FEV1.0 1.92±0.77→2.07±0.78L,Raw 2.82±1.67→1.86±1.09 H20/L/S,R5 0.48±0.21→0.37±0.14 kPa/l/s,R20 0.38±0.12→0.27±0.08 kPa/l/s,と改善していた.まとめ:薬剤の効果を表現する指標として肺年齢は有用であると考えられた.

日本呼吸器学会雑誌 第48巻増刊号 p.240(2010)