一般社団法人日本呼吸器学会
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学術講演会抄録集

セッション名 気管支喘息 呼吸生理
PP421
 
アストグラフによる気道の2相性反応の検出
大江真司1),岸不盡彌2)(北海道社会保険病院総合診療科1),北海道社会保険病院呼吸器科2)

【はじめに】アストグラフの気道過敏性の指標としてSGrs/Grs contがある.この指標の算出の際に,アストグラフ曲線が2相性を呈し解析に難渋する.我々はこれに準じた(-dGrs/dt)/Grsを定義し気道壁の収縮率といった動態特性を表す指標であることを既に報告した.【目的】(1)気道反応の呼吸生理学的意味づけ(2)気道反応の分類【方法】(1)(-dGrs/dt)/Grsを用いた気道反応の解析と分類(2)対象:北大第一内科に在籍中にアストグラフを施行した健常人24,喘息患者15,COPD患者4名(3)気道反応の分類と(-dGrs/dt)/Grsを3群で比較・検討【成績】(-dGrs/dt)/Grsによる解析で気道は等速度で収縮する.気道反応は(1)気道全体がゆっくり等速度で収縮する1相性(2)速く等速度で収縮する1相性(3)最初はゆっくり次に速く等速度で収縮する2相性の3つの反応に分類された.健常人では(0,8,16),喘息患者では(0,6,9),COPD患者では(4,0,0)でCOPD患者と健常人・喘息患者に気道反応の分類で有意差あり.3群で(-dGrs/dt)/Grsを比較検討したが有意差なし.【結論】気道反応を1相性,2相性としてとらえることで気道の詳細な状況を把握できる.

日本呼吸器学会雑誌 第48巻増刊号 p.241(2010)