一般社団法人日本呼吸器学会
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学術講演会抄録集

セッション名 COPD 治療1
PP273
 
COPD患者におけるチオトロピウム吸入液剤の臨床効果の検討
朝倉有香1),西村直樹2),仁多寅彦2),須田理香2),山雄さやか2),冨島 裕2),内山 伸2),木津純子1),蝶名林直彦2)(慶應義塾大学薬学部実務薬学講座1),聖路加国際病院呼吸器内科2)

【目的】チオトロピウム吸入用カプセル剤を使用していたCOPD患者において,新規に発売された吸入液剤に剤形変更した際の治療効果,副作用,吸入手技,患者にとっての利便性などを評価し,吸入液剤の有用性について検討した.【方法】聖路加国際病院呼吸器内科に通院中のチオトロピウム吸入用カプセル剤使用のCOPD患者で,本研究に同意が得られた患者とした.剤形切り替え前と切り替え12週後の肺機能検査値,Visual Analog Scaleを用いたQOL,MRC問診票を用いた呼吸困難の程度,副作用,患者の吸入手技を確認して得た点数を調査し,吸入状況や吸入操作に関するアンケートを行った.さらに呼吸困難の程度と副作用については,切り替え4週後にも調査を行った.【結果・考察】対象患者は32名,年齢は72.8±6.1歳であり,切り替え前のFEV1は1.48±0.60 L,MRCグレードの中央値は1(0-3),37.5%の患者に口渇が認められた.切り替え4週後では,92.0%の患者はMRCグレードは変わらず,口渇症状は18.5%に減り,25.9%の患者に吸入時にむせこみの症状があった.今後はさらに症例数を増やすとともに使用12週までの調査を行い,吸入液剤の特徴を明らかにする.

日本呼吸器学会雑誌 第49巻増刊号 p.(2011)