一般社団法人日本呼吸器学会
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学術講演会抄録集

セッション名 COPD 治療1
PP276
 
COPD患者のチオトロピウムに対するアドヒアランスとその決定要因
田中希宇人,加畑宏樹,上石修史,宮田 純,友松克允,小倉裕美,樹神元博,大森奈緒,滝原崇久,鈴木雄介,塩見哲也,福永興壱,佐山宏一,浅野浩一郎(慶應義塾大学呼吸器内科)

【目的】COPD患者の肺機能,QOLを改善するとされる,長時間作用性抗コリン薬チオトロピウムに対するアドヒアランスとその決定要因について検討する.【方法】当院で2006年から2009年に肺機能検査を実施した20,220例から,1)呼吸器内科に通院,2)40歳以上,3)喫煙歴あり,4)1秒率70%未満,5)1秒量が予測値の70%未満,の基準を満たす378例を抽出した.チオトロピウムの処方の有無と処方後1年以上継続しているか否かによって処方継続群,途中中止群,未処方群の3群に分類し,検討を行った.【結果】378例中チオトロピウム処方例は193例であり,うち処方継続例が143例(74%),途中中止例が50例(26%)であった.途中中止の理由は自己中断が21例(42%)と最も多く,合併症によるものは7例(心疾患2,排尿障害4,緑内障1)であった.また,処方継続例の45%で明らかに症状が軽快したと自覚しているのに対し,途中中止例では23%でしか症状の改善を自覚していなかった.【結語】抗コリン薬の副作用による中止例は少なく,自覚症状の改善が薬剤継続に繋がることが示された.

日本呼吸器学会雑誌 第49巻増刊号 p.(2011)