セッション名 | COPD 治療1 |
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[目的]COPDに対してTi吸入を行うと,気道に分布するムスカインM3受容体に働いて気道を拡張するとされる.しかし,Tiは抗コリン薬であることから,口渇,喀痰の減少がみられる.気管支拡張作用に加え気道分泌物抑制作用も有する.末梢気道の分泌物抑制はmeniscus formationを減しairway trappingを減少させるのではないかと推察し,Ti吸入前後のATI(Air-trapping index)を中心に検討した.[方法]COPD病期分類II期以上の16例を対象とした.治療前とTi吸入のみ1年後のATI,1秒量(FEV1)およびV50/25を比較検討した.ATIは呼吸機能検査ガイドライン(日本呼吸器学会編2004,pp22.)から引用した.その求め方はATI(%)=[(VC-FVC)/VC]×100である.[成績]ATIの減少,FEV1およびV50/25の増加はいずれも有意差がみられ,ATIは15.88から7.80へ48.2%の減少,FEV1は1299から1579mlへ21.6%の増加,V50/25は2.14から2.84へ28.0%の増加であった.[結語]Ti吸入による変化はFEV1やV 50/25の改善よりATIの減少の方が大きく,meniscus formationのメカニズムの観点から,気道分泌物を抑制し,ATIを減少させ,自覚症の改善をもたらすと示唆された.