セッション名 | COPD 病理,病態生理2 |
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2011年当学術大会において肺癌切除術周術期管理における慢性閉塞性肺疾患 (COPD)の重要性について報告した.また潜在的なCOPD罹患数とCOPD症例数の乖離が指摘されている.今回我々はCOPD診断を行なう有効な手段を同定するために,気管支鏡検査症例に対する術前肺機能検査の有効性を検討した.気管支鏡検査前肺機能検査をスクリーニングとした2010年8月からの1年間に施行された気管支鏡検査症例333例(Post群)と,2010年8月以前の1年間に施行された気管支鏡検査症例303例(Pre群)のCOPD診断の有効性について比較検討した.Pre群83例,Post群196例で肺機能検査が施行された.その中で可逆性試験施行例はPre群8例,Post群107例であった.気管支鏡検査症例中,閉塞性障害が同定された症例は,Pre群では10.2% (31/303例), Post群では26.7% (89/333例)であった.GOLD分類に基づくCOPD診断例はPre群1.32% (4/303例),Post群16.8% (56/333例)であった.肺機能検査施行例で閉塞性障害を認めたものはPre群37.3% (31/83例),Post群45.4% (89/196例)であった.気管支鏡前肺機能検査スクリーニングはCOPD診断を行なう有効な手段である.