一般社団法人日本呼吸器学会
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学術講演会抄録集

セッション名 COPD 病理,病態生理2
PP1008
 
肺癌切除術の術前肺機能評価におけるGOLD分類とFEV1/FVC正常下限を用いたリスク評価の比較検討
大須賀さと子1),橋本直純1),宇佐美範恭2),今泉和良3),松崎明日香1),楠瀬公章1),横井香平2),長谷川好規1)(名古屋大学呼吸器内科1),名古屋大学呼吸器外科2),藤田保健衛生大学呼吸器内科3)

【背景】2011年日本呼吸器学会学術大会にて412例の肺癌切除術周術期管理における慢性閉塞性肺疾患(COPD)管理の重要性について抄録報告した.近年,閉塞性障害評価でGOLD分類に比較してFEV1/FVCの正常下限(LLN)による選択基準が適切であるという報告がなされた.【目的】我々は肺癌切除症例における術後在院日数延長(PPS)に対するリスク評価としてGOLD分類とFEV1/FVC LLNの術前肺機能検査の有効性比較を行なった.【方法】前回解析した肺癌外科的切除症例412例について,術前肺機能検査を2つの診断基準を用いて,nonCOPD群(FEV1/FVC≧0.7 and FEV1/FVC≧LLN),境界群(LLN≦FEV1/FVC<0.7),COPD群(FEV1/FVC<0.7 and FEV1/FVC<LLN)に分類し,各群におけるPPSを検討した.【結果】PPSはnonCOPD群(28.6%)と比較し境界群(39.4%)で有意に高かった.【結論】肺癌切除術における術前肺機能検査でFEV1/FVC LLNを選択することは境界群を正常と評価してPPS増加をもたらし術前評価として適切ではない. 

日本呼吸器学会誌 第1巻増刊号 p.350(2012)