セッション名 | COPD 病理,病態生理2 |
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【背景】本邦の喫煙率は先進国の中で依然として高い.喫煙による呼吸器障害はタバコ感受性に依存するが,早期に障害を検出することは困難である.近年,CT機器と解析ソフトの進歩によって,単純写真や呼吸機能検査で検出不能な肺気腫病変(CT肺気腫)が定量的に評価可能になった.【目的】非喫煙肺をコントロールとして,喫煙指数(BI)とデジタル解析したCT肺気腫の程度,CT肺気腫と呼吸機能障害の関係を明らかにする.【対象と方法】当科を受診し,CT撮影を行った209例(男138例,女71例,平均67.4歳)を対象とした.CT肺気腫(低吸収容量,LAV)はLungVision®を用いて定量的に評価した.【結果と考察】非喫煙者のLAV%は加齢と有意な相関を認めたが,最大でも2.4%と低値であった.またLAV%はBIと正の相関を示し,喫煙により加齢性変化を超えて気腫化が進むことを確認した.LAV%は1秒率とも強い相関を認め,早期に呼吸機能障害を診断できる可能性が示唆された.今後,胸部CTは肺癌検診のみならず喫煙肺の診療に活用すべきと考える.