一般社団法人日本呼吸器学会
HOME > 学術集会・各支部  > 学術講演会 > 抄録集 > 検索結果

学術講演会抄録集

セッション名 COPD 治療
MS53
 
COPD患者における気管支拡張薬に対する肺機能検査と強制オシレーション法(FOT)の反応性の比較
秋田剛史1),白井敏博1),望月栄佑1),野口理絵1),櫻井章吾1),美甘真史1),宍戸雄一郎1),森田 悟1),朝田和博1),藤井雅人1),江藤 尚1),須田隆文2),千田金吾2)(静岡県立総合病院呼吸器内科1),浜松医科大学呼吸器内科2)

【目的】COPD患者における気管支拡張薬に対する肺機能検査とFOTの反応性を検討する.【対象方法】当院通院中のCOPD患者33名(男性31名,女性2名,年齢:73(65-85)歳)(新規にチオトロピウムを導入した19名とチオトロピウムにICS/LABA剤を上乗せした14名)を対象とした.気管支拡張薬の投薬前後4週間で肺機能検査,FOTを行い比較した.【結果】全体では治療後のFEV1.0は76 mlの改善,改善率は4.7%であった.平均改善率は呼吸抵抗成分(Rrs)でR5,R20,R5-R20はそれぞれ8.3%,8. 6%,9.2%であり,リアクタンス成分(Xrs)はX5,Fres,ALXで14.7%,9.1%,20.3%の低下であった.新規にチオトロピウムを導入した群ではFEV1.0の改善との相関がRrs(R5:r=0.59),Xrs(Fres:r=0.71)に認められた.ICS/LABA上乗せ群ではFEV1.0の改善との相関がXrs(Fres:r=0.59)に認められたがRrsには認めなかった.【結論】抗コリン薬治療中のCOPD患者へのICS/LABA配合剤の上乗せにより肺および胸壁の弾性慣性抵抗が改善する.

日本呼吸器学会誌 第2巻増刊号 p.131(2013)