セッション名 | COPD 治療 |
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【目的】COPDでは気腫と気道リモデリングの混在にて気流閉塞が形成されている.昨年の本学会にてTiotropium使用中のCOPD患者に対しSymbicort追加による気管支拡張効果を,MDCT を用いて検討したが,今回併せて気腫の解析も行った.【方法】COPD患者14例を対象とした.年齢73 (63-87) 歳,%FEV1 57%,全例Tiotropiumを使用している.TiotropiumにSymbicortを追加投与し,追加前と12週経過後に,CT撮影を行った.気管支拡張効果は,3から6次分枝の気管支内腔面積 (Ai) を測定し,右気管支6本の平均値を用いて検討,気腫は-950HU以下と定義し,気腫容量 (EV) を前後のCTで比較検討した.【成績】Symbicortの追加により,Aiは3次から6次まで有意に増加が見られ,気管支壁面積% (WA%) も有意な減少が確認された.EVは1.8±0.4 cm3から1.9±0.4 cm3と変化なく,全肺容量も4.8±0.3Lから4.8±0.3Lと変化が見られなかった.また呼吸機能上も有意な変化は見られなかった.【結論】MDCTを用いてTiotropiumへのSymbicortの追加効果を気道,気腫にわけて解析したところ各分枝において気管支拡張効果が確認されたが,気腫量の変化は見られなかった.