一般社団法人日本呼吸器学会
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学術講演会抄録集

セッション名 COPD 治療
MS55
 
最重症COPDに対する気管支鏡的肺容量減少療法
水守康之,増田佳奈,大西康貴,瀧口純司,白石幸子,福光研介,鏡 亮吾,勝田倫子,三村一行,横山俊秀,渡部悦子,塚本宏壮,守本明枝,寺田邦彦,佐々木信,河村哲治,中原保治,望月吉郎(国立病院機構姫路医療センター呼吸器内科)

背景:最重症COPDは有効な治療法に乏しく, %FEV1<20%の症例では外科的治療も禁忌とされている. 目的:最重症COPDに対する自己血注入を用いた気管支鏡的肺容量減少療法(BLVR)の有効性について検討する. 対象:適切な内科的治療, 酸素療法, 呼吸リハビリを行うも呼吸困難の改善が得られない最重症COPD 患者3名. 方法:1名は片肺に, 2名は半年または1年の間隔をあけて両肺にBLVRを施行した. 延べ5回のBLVRについてその前後の肺機能, 運動耐用能の変化を検討した. 結果:3例の治療前年齢は58~74歳, %FEV1 14.8~23.4%, PaCO2 43.8~76.9torrであった. BLVR前後の変化は, FEV1 0.45±0.04L→0.76±0.12L(p=0.004), IC 1.50±0.30L→1.96±0.38L(p=0.073), 3分間歩行46.8±23.4m→89.6±34.5m(p=0.004)と著明に改善した. 肺機能は治療後1~4か月をピークとして以後低下傾向を認めたが, 運動耐容能の改善は4~10か月後まで維持された. 結論:最重症COPDにおいて肺機能や運動耐用能の有意な改善が認められ, 有効性が示唆された.

日本呼吸器学会誌 第2巻増刊号 p.131(2013)