一般社団法人日本呼吸器学会
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学術講演会抄録集

セッション名 COPD 病理・病態生理
PP632
 
COPDにおける局所肺呼吸音の非同期性について
峯下昌道,阿座上真哉,柿沼一隆,村岡弘海,岡本真理子,薄場彩乃,井上哲兵,竹村仁男,藤原美和,木田博隆,古屋直樹,半田 寛,西根広樹,延山誠一,井上健男,宮澤輝臣(聖マリアンナ医科大学呼吸器・感染症内科)

【緒言】COPDの局所肺換気は不均一であることが報告されているが,呼吸音はその領域の換気状況を反映する指標として利用可能と考えられる.今回我々はCOPD患者の局所肺呼吸音の非同期性(asynchrony;AS)について検討した.【方法】左右背部に吸着させる6~7対のアレイに搭載された電子聴診器で呼吸音を記録・解析できるVRIを使用し,非同期性の指標として左右の対のアレイで記録した呼吸音の時相のずれ(AS L-R)と最上と最下のアレイで記録した呼吸音の時相のずれ(AS U-L)を用いた.46名のCOPD患者と40名の健常喫煙者を対象とし,COPD患者で胸部CT画像が得られた38 名では気腫とASの関係についても検討した.【結果】AS L-RとAS U-Lは健常喫煙者と比較しCOPD患者で有意に高値であった.%LAAで表した全肺の気腫の程度とASは相関を認めなかったが,気腫分布のheterogeneityとASには有意な相関を認めた(AS L-R; ρ=0.38, p<0.05, AS U-L; ρ=0.51, p<0.005).【結語】COPDでは局所肺呼吸音は健常人に比べて有意な非同期性を認め,肺気腫分布のheterogeneityはその一因であると考えられた.

日本呼吸器学会誌 第4巻増刊号 p.269(2015)