セッション名 | COPD 病理・病態生理 |
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【背景】運動時低酸素血症をきたすCOPD患者があるが,このような患者における脳皮質酸素化及び脳皮質活動については分かっていない.【目的】COPD患者における運動時脳皮質酸素化及び脳皮質活動と呼吸困難の関連を検討する【方法】COPD患者(低酸素群11名,非低酸素群17名),コントロール群11名に一定負荷(ピークの40%)の運動負荷を10分間行った.運動中の脳皮質酸素化及び脳活動は,多チャンネル近赤外線分光法(NIRS)にて領域別に測定した.【結果】非低酸素群及びコントロールでは前頭前野領域のoxy-Hb濃度は運動により増加したが,低酸素群ではoxy-Hb濃度は運動により低下し,酸素投与により改善した.非低酸素群とコントロールでは,呼吸困難の強度(Borg)は前運動皮質領域の脳皮質活動(deoxy-Hbの低下)と関連していた.一方で,低酸素群では呼吸困難感は眼窩前頭皮質における酸素化の低下(deoxy-Hbの増加)及びSpO2の低下と関連していた.【結論】呼吸困難感には前運動皮質領域の脳皮質活動が関連し,低酸素時には脳皮質酸素化の低下も関連していた.