セッション名 | COPD 生理 |
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【背景と目的】近年,COPDにおける肺機能の経年低下に対する薬物療法の有用性が明らかになってきた.主にFEV1で評価されるが,FOTパラメーターの経年変化は明らかでない.【対象と方法】当院通院中のCOPD患者24名(男性24名,平均年齢74(62-85)歳)を対象に,過去5年間の安定期に測定したスパイロメトリー,FOT(MostGraph-01)による呼吸抵抗とリアクタンスの経年変化を後方視的に解析した.【結果】5年の経過で,呼吸抵抗はR20(平均,吸気)が軽度低下したが,R5,R5-R20では有意な変化が認められなかった.リアクタンスではFres(平均,吸気,呼気),ALX(吸気)が有意に増加した.スパイロメトリーでは,平均でFEV1は255 ml,ICは216 ml,VCは191 ml,FVCは215 ml有意に低下した.FEV1の低下量はFres変化率(r=-0.422),Fresの吸気変化量(r=-0.431)と有意な負の相関を認めた.【結論】COPD患者においては,スパイロメトリーだけでなく,FOTの主にリアクタンスも経年的に悪化することが明らかとなった.