一般社団法人日本呼吸器学会
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学術講演会抄録集

セッション名 COPD 生理
PP77
 
慢性気流閉塞症例における呼吸impedanceの検討
山崎明子,志賀 守,堀口紘輝,吉田隆純,瀧田好一郎,加藤圭介,桑原和伸,伴 直昭,廣瀬正裕,近藤りえ子,堀口高彦(藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院呼吸器内科学第二講座)

閉塞性換気障害を示す代表的な呼吸器疾患に気管支喘息とCOPDがある.両疾患は原因も病態も異なる疾患であるが,臨床症状には類似点も多く鑑別が困難なことも多い.さらにこれらの疾患病態が併存する状態として,ACOSが注目されており様々な検討が行われているが不明な点も多い.本研究では,これら閉塞性換気障害の病態解析の試みとして,疾患単位ではなく慢性気流閉塞を呈する喫煙者の呼吸impedanceの検討を行った.【対象と方法】当院通院中の慢性気流閉塞(気管支拡張薬投与後の1秒率が70%未満)を呈する喫煙者で,肺気腫以外の器質的呼吸器疾患を除外した31例を対象にImpulse Oscillometryを用いた呼吸impedanceと,スパイロメトリー,肺気量分画,拡散能,CT画像の関連性について検討した.【結果】FEV1%,%FEV1,IC,%V・25/HtとR5は有意な相関を認めたが,R20との相関は認めなかった.スパイロメトリーやRV/TCLとR5-R20,Fres,AXに有意な相関を認めたが,Fresがいずれのパラメータとも非常に強い相関を示した.呼吸機能検査の中で拡散能と相関を認めたのは,Δ X5のみであった.さらに症例数を増やして検討する.

日本呼吸器学会誌 第5巻増刊号 p.181(2016)