一般社団法人日本呼吸器学会
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学術講演会抄録集

セッション名 COPD 生理
PP79
 
COPD患者の運動耐容能の経年低下予測におけるImpulse Oscillation System(IOS)の有用性について
吉井直子1),玉垣学也2),藤本寛樹3),杉山由香里1),岡本敦子1),山本典雄1),宇治正人1),浅井一久1),金澤 博1),平田一人1)(大阪市立大学呼吸器内科学1),大阪鉄道病院呼吸器内科2),大阪市立大学臨床感染制御学3)

【背景】COPD患者において,弾性コンプライアンスの低下は運動耐容能の低下の一因となる.安静呼吸で測定可能なIOSのリアクタンス成分は末梢肺の弾性抵抗を反映するとされる.運動耐容能の評価のため測定する6分間歩行距離の経年的な変化と,IOSの各パラメーターとの関係はわかっていない.【目的】6分間歩行距離の経年的な低下とIOSの各パラメーターとの関係を評価する.【方法】COPD患者のうち2年以上の間隔をあけて6分間歩行試験を行っている22人のIOS, スパイロメトリーのデータを後ろ向きに解析した.【結果】検査間隔は平均3.4年であった.6分間歩行距離の変化(m/年)においてAXと有意な相関がみられた(X5;p=0.06,Fres;p=0.05,AX;p=0.02).また6分間歩行距離が1年あたり5m以上低下した群としなかった群に分けて解析したところ,R5,R20では有意差はなく,AXで2群間に有意な差を認めた(X5;p=0.08,Fres;p=0.05,AX;p=0.02).【結論】IOSはその後の運動耐容能の経年低下の予測に有用であることが示唆された.

日本呼吸器学会誌 第5巻増刊号 p.181(2016)