セッション名 | COPD 生理 |
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【背景と目的】COPDの診断には肺機能検査が必須であるが,検査手技や患者努力に左右されるとともに,精密肺機能検査は施行できない施設も多い.我々は過去に側面像の吸気呼気胸部単純X線写真と%FEV1やFEV1%が相関することを確認した.さらにCOPDではRV/TLCやIC/TLCが急性増悪や予後に関与しているという報告もあり,今回精密肺機能を予測する上で側面像が有用かを検討した.【方法】当院で日本呼吸器学会COPDガイドラインに基づきCOPDと診断,病期診断を行った患者(14名)を対象とし,吸気呼気胸部X線写真側面像を撮影,臨床用画像ビューアShadeQuest/ViewC V2.00を使用して胸腔上下径,胸腔前後径,胸腔面積を算出,精密呼吸機能検査値との関連を検討した.【結果】%RV,RV/TLCと胸腔上下径の吸気時と呼気時の差が有意な相関関係を認めた.%FRC,%TLC,IC/TLC,%DLco/VAは関係を認めなかった.特にRV/TLCは上下径の差とR=-0.76,p<0.01で強い相関を認め,上下径の差12mmをcut offとするとRV/TLC≧40%を感度83%,特異度87%,AUC 0.88で検出できた.【結論】側面での吸気呼気胸部X線写真は患者の精密呼吸機能を予測する上で有用と考えられた.