セッション名 | COPD 生理 |
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【背景・目的】慢性閉塞性肺疾患(COPD)は全身性の炎症性疾患であり,2030年には全世界で死因の第三位になると推計されている.また,慢性腎臓病(CKD)は成人人口の約13%を占める重要な疾患である.高齢化に伴い,COPDとCKDの有病者数は増加しているが,その関連性についての検討は少ない.今回,我々は呼吸機能と腎機能の関連について検討した.【方法】呼吸機能検査(FVC,FEV1.0,V50,V25)と血液検査(Cr,eGFR)を行っている当院通院患者を対象とし,後方視的に解析した.【結果】eGFRとV50(r=0.40,p=0.0002)やV25(r=0.44,p<0.0001)は有意な正の相関を認めた.しかし,eGFRとFVCやFEV1.0は有意な相関を認めなかった.また,eGFRが60(mL/min/1.73)未満と60以上の群間比較では,前者で有意にV25は低かった.そして,呼吸機能検査で一秒率が70(%)未満と70以上の群間比較では,前者は有意にeGFRが低かった.【考察】COPDとCKDの発症は喫煙などの共通危険因子があり,心疾患などの共通並存症がある.病態形成において両疾患は相互に影響している可能性が示唆された.