一般社団法人日本呼吸器学会
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学術講演会抄録集

セッション名 COPD 生理
PP85
 
COPD患者におけるFeNO測定の意義に関する検討
伊藤あゆみ1),三浦元彦1),小川浩正1,2),榊原智博1),田代祐介1),大塚竜也1),京極自彦1),谷津年保1),滝田克也1),阿部武士1)(東北労災病院1),東北大学産業医学分野2)

【背景】呼気ガス中NO濃度(FeNO)の測定は,気管支喘息において,好酸球性炎症の関与の有無や吸入ステロイド剤(ICS)の効果の予測に関して有効とされ,FeNOが高値を示す症例ほどFEV1の経年変化が大きいと報告されている.一方COPDにおいては,喫煙継続者や重症者でFeNOが低下することや増悪時に上昇することが知られているが臨床的意義は定かではない.【目的】COPDにおけるFeNO測定の意義を検討するため,FeNOとFEV1の経年変化との関係およびCOPDにおいてICS有効性の関連が指摘されている末梢血好酸球との関連を検討した.【方法】臨床的に安定し明らかな喘息症状の既往がないCOPD患者において,末梢血好酸球とFeNOを測定した.FEV1の経年変化は過去3年間の複数のスパイロ結果を直線回帰し,算出した.【結果】60名の時点の検討では,FeNOはCOPDの病期が進行するにつれて低下する傾向が見られたが,FEV1の経年変化とは有意な関係は見られなかった.また,末梢血好酸球との有意な相関も見られなかった.今後更に症例を集積し報告の予定である.

日本呼吸器学会誌 第5巻増刊号 p.182(2016)