一般社団法人日本呼吸器学会
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学術講演会抄録集

セッション名 COPD 呼吸機能
PP921
 
COPD診療におけるモストグラフの有用性の検討
齋木晴子1),畑地 治1),鈴木勇太1),坂口 直1),伊藤健太郎1),西井洋一1),小林 哲2),田口 修1,3)(松阪市民病院呼吸器センター1),三重大学呼吸器内科2),三重大学付属病院保健管理センター3)

【目的】安静時の呼吸メカニクスを評価するモストグラフは,喘息やCOPDの補助診断や治療効果判定としての有用性が報告されている.今回COPD患者におけるスパイロメトリーとモストグラフの相関関係,モストグラフの各指標の経年変化を評価した.【方法】2016年8月1日から8月31日の期間に当院を受診したCOPD患者で,1年以上の通院歴がある80名について,モストグラフ及びスパイロメトリーの各指標の相関関係を後方視的に検討した.【結果】男性/女性=74名/6名,平均年齢70.4歳であった.病期は1期10名,2期22名,3期34名,4期14名であった.スパイロメトリーとモストグラフの各指標は全体的に相関し,特に1秒量,%1秒量とFresは良好な相関を示した(r=-0.790,p<0.001,r=-0.741,p<0.001).経年的な変化の評価では,呼吸リアクタンスの指標であるX5,Fres,ALXの変化と1秒量,%1秒量の低下が有意に相関していた(p<0.001).【結論】COPD患者において,スパイロメトリーとモストグラフの各指標は有意に相関しており,特にFresは絶対値,経年変化とも1秒量,%1秒量と良好に相関しており,COPD診療に有用である可能性が示された.

日本呼吸器学会誌 第6巻増刊号 p.318(2017)