セッション名 | COPD 呼吸機能 |
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【背景】閉塞性換気障害を示す代表的な呼吸器疾患に気管支喘息と慢性閉塞性肺疾患があり,さらに近年ACOSが注目されているが,病態に不明な点も多い.本研究では,閉塞性換気障害を示す病態解析の試みとして,固定性気流閉塞を呈する喫煙者の,呼吸機能および呼吸impedanceの解析を行った.【対象と方法】10pac/year以上の喫煙歴を有し,気管支拡張薬投与後の1秒率が70%未満の固定性気流閉塞を呈し,肺気腫を除く器質的呼吸器疾患を除外した38例を対象に呼吸機能,呼吸impedanceを測定し,さらに肺拡散能と気管支拡張薬吸入に対する気道反応性で4つのフェノタイプに分類し比較検討を行った.【結果と考察】%FEV1とR5-R20,ΔX5に有意な相関を認め,COPDと同様末梢気道に病変の主座が存在する可能性が示唆された.さらに,拡散能は低値であるが気道反応性を有するフェノタイプ群2の,FEV1/FVCやΔX5が他の群に比し不良な傾向を認め,ACOSが混在している可能性が示唆された.【結語】固定性気流閉塞症例を様々なアプローチで検討することは,その病態のさらなる解明に有用であると考えられた.