一般社団法人日本呼吸器学会
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学術講演会抄録集

セッション名 COPD 呼吸機能
PP923
 
固定性気流閉塞のない喫煙喘息における肺拡散能と呼吸impedanceの解析
吉田隆純,志賀 守,出口亜里沙,横井達佳,堀口紘輝,山崎明子,加藤圭介,桑原和伸,伴 直昭,瀧田好一郎,廣瀬正裕,近藤りえ子,堀口高彦(藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院II)

【緒言】喫煙やACOSは,難治性喘息のフェノタイプに影響をあたえる因子として注目され,様々な検討が行われている.しかしACOSは固定性気流閉塞を前提とされているため,それ以外の症例では不明な点も多い.そこで本研究は固定性気流閉塞のない喫煙喘息における肺拡散能と呼吸impedanceの解析を行った.【対象と方法】当施設外来通院中で,喫煙歴を有し気管支拡張薬投与後のFEV1/FVCが0.7以上の,肺気腫を除く器質的呼吸器疾患を有する症例を除外した喘息患者14例を対象に,修正MRC,末梢好酸球数,LAA%,肺機能,呼吸impedanceを測定し比較検討した.【結果と考察】肺拡散能基準値未満群は基準値以上群に比し末梢血好酸球数が高値を示す傾向を認め,好酸球性炎症のコントロール不十分な状態が末梢気道病変をより進行させる可能性が示唆された.さらに肺拡散能基準値未満群は基準値以上群に比し呼気相および吸気相R5-R20,ΔR5-R20,ΔX5が高値を示す傾向を認めた.喫煙喘息患者の呼吸impedanceはCOPDに類似した部分を有していることが示唆された.今後症例数を増やして検討する必要があると考えられた.

日本呼吸器学会誌 第6巻増刊号 p.318(2017)