一般社団法人日本呼吸器学会
HOME > 学術集会・各支部  > 学術講演会 > 抄録集 > 検索結果

学術講演会抄録集

セッション名 COPD 呼吸機能
PP924
 
COPD,気管支喘息患者における強制オッシレーション法(FOT)と肺機能の経年変化
秋田剛史,田中悠子,渡邉裕文,遠藤慶成,下田由季子,鈴木貴人,野口理絵,三枝美香,赤松泰介,山本輝人,宍戸雄一郎,森田 悟,朝田和博,白井敏博(静岡県立総合病院呼吸器内科)

【目的】当院通院中の安定期COPD,気管支喘息患者における5年間のMostgraph,肺機能の変化を検討する.【対象と方法】COPD24名(男性24名,年齢:74),気管支喘息26名(男性11名,女性15名,平均年齢59)を対象に検討を行った.5年間の経過で肺機能検査,Mostgraph-01による呼吸抵抗とリアクタンス測定を行い比較した.【結果,考察】COPDにおいてはFOTのリアクタンス成分であるFresの平均値,吸気,呼気,ALXの吸気の絶対値が有意に大きくなった.FOTの抵抗成分はR20の平均,吸気の値が軽度有意に低下した.肺機能検査ではFEV1.0は255ml,ICは216ml,VCは191ml,FVCは215ml有意に低下していた.FEV1.0の低下量はFres変化率(r=-0.422),Fresの吸気変化量(r=-0.431)と負の相関を認めた.喘息患者において呼吸抵抗はR5,R20,R5(in),R20(ex)で有意な低下が得られ,リアクタンスではFres(in-ex)が有意に増加した.スパイロメトリーではFEV1,IC等は変化なく%FVCで3.8%の増加であった.COPDではFOTのリアクタンス成分が気管支喘息では呼吸抵抗成分の経年的変化が観察された.

日本呼吸器学会誌 第6巻増刊号 p.318(2017)