一般社団法人日本呼吸器学会
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学術講演会抄録集

セッション名 COPD 呼吸機能
PP927
 
COPDにおける呼気一酸化窒素測定の検討
伊東亮治,中村行宏,大久保史恵,佐藤千賀,渡邉 彰,阿部聖裕(国立病院機構愛媛医療センター呼吸器科)

【目的】COPD症例に対する呼気一酸化窒素(FeNO)について検討する.【方法】2014年7月から2015年12月の間に当院を初めて受診しFeNOを測定された症例のうちCOPDと診断された症例を対象にした.臨床的に気管支喘息を合併していると判断した症例およびFeNO測定時にステロイド剤を投与されていた症例は解析から除外した.【結果】対象症例は65人(男性58人,70±10歳)であった.FeNOの中央値は25±12ppbであった.FeNO<25ppb症例(低値群:45人)とFeNO≧25ppb症例(高値群:20人)を比較検討したところ,年齢,性別,CAT点数,%FEV1.0は差がなかった.喫煙指数は2群間で差がなかったが喫煙を続けていた症例は低値群で有意に多かった.入院を要する増悪は高値群で多かった.経過中,吸入ステロイド(ICS)を投与された22人(低値群5人,高値群17人)うち高値群6人でFEV1.0が12%以上かつ200ml以上の改善を認めた.【結論】COPD症例においてFeNOが増悪の予測やICSの効果予測に有用な可能性がある.

日本呼吸器学会誌 第6巻増刊号 p.319(2017)