一般社団法人日本呼吸器学会
HOME > 学術集会・各支部  > 学術講演会 > 抄録集 > 検索結果

学術講演会抄録集

セッション名 COPD 呼吸機能
PP928
 
パルスオキシ・カプノメーターを用いた呼気終末炭酸ガス分圧測定有用性の検討
田中 健1),白神梨沙1),會田啓介1),多田 智2),河野めぐみ2),萩谷政明1),本間敏明1)(帝京大学ちば総合医療センター第三内科(呼吸器)1),帝京大学ちば総合医療センターリハビリテーション部2)

【目的】慢性呼吸不全状態の悪化したCOPD患者を対象にside stream形式での呼気終末炭酸ガス分圧(PetCO2)測定装置カプノトウルーASP™の臨床的有用性を検討する.【対象】当科入院中で病状は安定しているCOPD43症例.男性38例,女性5例.【方法】就寝時にカプノトウルーASP™を装着しPetCO2を終夜連続測定,翌日に動脈血液ガス分析を行いPaCO2と比較.測定したPetCO2には予測誤差5 Torrを加えた(PetCO2*と表記).【成績】PetCO2*とPaCO2間には,R=0.79(P<0.05)と有意な正の相関を認めた.そのうち17症例でPaCO2とPetCO2*に5 Torr以上の差を認め,PaCO2>PetCO2*群は4症例,PetCO2*>PaCO2群は13症例であった.【考察】進行したCOPD症例ではPetCO2はPaCO2より低くなりやすいが,安静覚醒時ではPaCO2に問題がない症例であっても就寝時には高炭酸ガス血症である可能性が示唆された.【結論】カプノトウルーASP™はCOPD診療における呼吸循環モニターとして臨床的に有用であり,早期のNPPV導入やタイトレーションに有効であると考えられる.ただしPetCO2とPaCO2と数値の相違を理解したうえで使用することがよい.

日本呼吸器学会誌 第6巻増刊号 p.319(2017)