一般社団法人日本呼吸器学会
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学術講演会抄録集

セッション名 COPD 呼吸機能
PP932
 
安静呼吸下呼吸リアクタンス値(X5)の気流量補正によって1秒率を予測できる
玄山宗到1),北岡裕子2),田淵寛人3),星野朋子3),平田陽彦1),熊ノ郷淳1),木島貴志1)(大阪大学呼吸器・免疫アレルギー内科学1),(株)JSOLエンジニアリング本部2),大阪大学附属病院臨床検査部3)

閉塞性換気障害の診断基準に採用されている呼吸機能検査は1秒率のみであるが,1秒率は最大努力呼気によって計測され,必ずしも安静時の呼吸動態を反映するものではない.また,換気障害患者にとっては苦痛を伴う検査である.一方,強制オシレーション法は安静呼吸下に行われるが,未だに正常値が制定されていない.我々は,呼吸インピーダンス値が気流量に依存すること,インピーダンス値の最大規定因子である大気道の形状が,閉塞性換気障害患者においては呼気時に大きく変化しうることに着目し,インピーダンス値と気流量の関係を解析した.2015年4月から12月までに阪大病院でMostGraph検査を行った被験者545名の内,47名を無作為に選び,気流量の時系列データを抽出した.予測肺活量の10%の値を標準気流量と定義し,計測された呼気時平均気流量との比で閉塞性換気障害患者のX5の呼気時平均値を補正した所,1秒率の逆数との相関係数が,0.65から0.84に増加し,補正X5で1秒率を予測しうると考えた.強制オシレーション法が閉塞性換気障害の診断法の第1選択になりうると考えた.

日本呼吸器学会誌 第6巻増刊号 p.319(2017)