セッション名 | 喘息 3 |
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【目的】IL-13は気道上皮内の杯細胞の過形成を誘導し喘息の気道リモデリングにおいて重要な役割を担うことが推測されている.我々はIL-13を長期間投与したモルモットの気道にリモデリングが生じるかどうか,更にβ刺激薬に対する気管平滑筋の反応性が変化しているか調査した.【方法】モルモットを卵白アルブミンで感作した後,生食を4週間吸入したコントロール群,OVAを4週間吸入した感作群,更にIL-13を4週間腹腔内に投与したIL-13単独投与群の3群にわけた.4週後肺組織を摘出し組織学的検討を行う一方,気管平滑筋の切片を作成,等尺性張力を記録した.【結果】感作群とIL-13投与群では対象群に比し気管支上皮内の著明な杯細胞化を認めた.気管平滑筋の1μMメサコリン収縮に対するイソプロテレノール(0.0003-10μM)の弛緩効果は対照群ではほぼ正常で濃度―抑制曲線のEC50値は0.06μMであったが,感作群とIL-13群では著明に抑制され10μMの濃度でも抑制率は両群とも約20%であった.テオフィリンの弛緩効果は3群とも抑制されなかった.【結論】IL-13の長期投与はモルモットにおいて気道のリモデリング(杯細胞過形成)とβアドレナリン受容体の反応性低下をもたらした.