セッション名 | 喘息 3 |
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【背景】血管内皮,白血球,間葉系細胞に対する作用を介してTbnは気道炎症とリモデリングに重要な役割を果たしている可能性がある.【目的】喘息患者の気道炎症に対するTbnの影響を検討する.【対象と方法】1.アトピー性喘息患者19人から得たsegmental bronchoprovocation前(Day0),及び48時間後(Day2)のBALF中Tbn活性を測定し,2.BALF中Tbn活性と各種サイトカイン,増殖因子との相関を検討した.さらに,3.線維芽細胞増殖能に対するDay0およびDay2のBALFの影響を検討した【成績】1.Day2のBALF中Tbn活性はDay0より有意に上昇した.2.Day2のBALF中Tbn活性はDay2のBALF中interleukin-5,transforming growth factor-β1,fibronectin,tissue factorと正の相関を示した.3.Day2のBALFは正常ヒト線維芽細胞の増殖を刺激し,Tbnインヒビター(recombinant hirudin)はこの増殖を有意に抑制した.【結論】喘息患者の気道炎症では,抗原刺激によるTbn活性上昇が線維芽細胞などの間葉系細胞に影響を与えている可能性が示唆された.