 |
日本臨床微生物学会雑誌
|
書誌情報
論文名 |
AML化学療法中に発症したLaribacter hongkongensis菌血症の1例 |
論文言語 |
J |
著者名 |
萩原 繁広1), 金田 友香理1), 田中 悠一1), 寄川 紡実1), 野村 葵1), 木村 由美子2), 古谷 匡3), 大楠 清文4), 佐藤 久長1), 増田 義洋5) |
所属 |
1)栃木県済生会宇都宮病院医療技術部臨床検査技術科
2)自治医科大学附属病院臨床検査部細菌検査室
3)芳賀赤十字病院臨床検査部細菌検査室
4)東京医科大学微生物学講座
5)栃木県済生会宇都宮病院診療部血液リウマチ科 |
発行 |
臨床微生物:31(2),98─102,2021 |
受付 |
令和2年11月12日 |
受理 |
令和3年1月13日 |
要旨 |
症例は,66歳男性,AMLの再発で化学療法中であった。入院13日目,39.2℃の発熱があり,血液培養が採取された。培養3日目に好気ボトルが陽性となり,運動性のあるグラム陰性のらせん菌を認めた。5%炭酸ガス18時間培養で血液寒天培地,チョコレート寒天培地,DHL寒天培地に1~2 mm程度のコロニーが確認できた。同定では,血液培養液より直接抽出を行い,MALDI-TOF MSで測定を行った結果Laribacter hongkongensisと同定された。16S rRNA遺伝子解析の結果は,L. hongkongensisと99.8%相同性が得られた。薬剤感受性試験は,カルバペネム系,キノロン系,アミノグリコシド系薬で低いMIC値であったことから侵襲性感染症治療時の抗菌薬選択の一助となりえると考えられた。しかし,Class C βラクタマーゼ,テトラサイクリン系耐性遺伝子を発現することや多剤耐性菌も存在するため感受性の確認が重要である。 |
Keywords |
Laribacter hongkongensis, 菌血症, らせん菌 |
|