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日本臨床微生物学会雑誌
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書誌情報
論文名 |
グラム染色から得られる情報の活用~培養や遺伝子検査につなげるポイント~ |
論文言語 |
J |
著者名 |
永田 邦昭 |
所属 |
地方独立行政法人くまもと県北病院機構くまもと県北病院教育研修部 |
発行 |
臨床微生物:32(1),14─22,2022 |
受付 |
令和3年11月8日 |
受理 |
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要旨 |
グラム染色は問診や身体所見,画像所見等によって想定された感染病巣に潜む菌の存在を速やかに検知して原因微生物を絞り込み,感染症診断に導く基本的な検査法である。患者材料の検鏡は病巣内を顕微鏡でのぞくと言える検査であり,背景細胞も併せて観察することにより今現在の患者の病態,治療経過を反映するさまざまな情報を引き出すことが可能であるが,一方で個人差や感度など染色法ゆえの限界も存在する。染色に限らず本稿の副題である培養検査,遺伝子検査にもそれぞれ有用性と限界があり,それぞれの限界を相補うことによって感染症診断の精度を向上させることが大切である。本稿ではグラム染色観察が起点となって他の検査法に枝葉が広がる実症例を提示しながら,グラム染色所見の解釈法および活用法等について紹介する。 |
Keywords |
グラム染色, 誤嚥, 培養検査, 遺伝子検査, 抗原検査 |
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