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日本臨床微生物学会雑誌
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書誌情報
論文名 |
形態学的にAspergillus nigerと同定された菌株のMALDI-TOF MSと遺伝子系統解析による同定検討 |
論文言語 |
J |
著者名 |
松本 泰伸, 鈴木 真言, 二瓶 博義, 松本 哲, 三川 隆 |
所属 |
株式会社LSIメディエンス感染症検査部微生物検査グループ |
発行 |
臨床微生物:32(1),23─28,2022 |
受付 |
令和3年1月26日 |
受理 |
令和3年8月4日 |
要旨 |
2016年1月から2019年2月に国内医療機関より真菌検査を目的として提出された検体から分離され,形態学的にAspergillus nigerと同定された36株を対象として,遺伝子配列による同定とMatrix-assisted laser desorption ionization-time of flight mass spectrometry(MALDI-TOF MS)による同定を実施した。その結果,遺伝子配列による解析の内訳はAspergillus tubingensis 47.2%,Aspergillus welwitschiae 50.0%,Aspergillus neoniger 2.8%であり,A. nigerと同定された菌株はなかった。また,MALDI-TOF MSによる同定結果はA. nigerまたはAspergillus niger complexまでの同定レベルであり,Aspergillus section Nigriの正確な同定には遺伝子解析が必要となった。Aspergillus section Nigriにおいて隠蔽種の一部に薬剤感受性の低下が報告されていることから,簡便で迅速に同定可能なMALDI-TOF MSで正確な同定を行うためには更なるデータベースの拡充が求められる。 |
Keywords |
Aspergillus niger, Aspergillus section Nigri, MALDI-TOF MS, 遺伝子同定 |
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