日本臨床微生物学会雑誌：書誌情報

日本臨床微生物学会雑誌

書誌情報

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Article in Japanese

論文名	Panton-Valentine leukocidin遺伝子保有Methicillin-resistant Staphylococcus aureusの分離頻度と分子疫学的解析
論文言語	J
著者名	戸田　宏文1）, 久保　修一1）, 田中　裕滋2）, 上硲　俊法1,2）, 吉田　耕一郎3）
所属	1）近畿大学病院中央臨床検査部 2）近畿大学医学部臨床検査医学 3）近畿大学病院安全管理部感染対策室
発行	臨床微生物：32（1），33─37，2022
受付	令和3年7月18日
受理	令和3年9月14日
要旨	本研究では，各種臨床検体におけるPanton-Valentine leucocidin（PVL）遺伝子を保有するmethicillin-resistant Staphylococcus aureusの分離状況を調査し，PVL遺伝子保有MRSAについて，分子疫学解析を行った。　2016年から2018年に分離されたMRSA 947株の内，PVL遺伝子保有MRSAは12株（1.3％）であった。PVL遺伝子保有MRSAの分離率は，2016年の0.3％，2017年の0.9％から，2018年には2.8％に増加した。PVL遺伝子保有MRSAの主要な遺伝子型は，SCCmecIV型/ACME遺伝子陽性/ST8のUSA300クローンであり，POT型は106-77-113であった。　本研究により当院における各種臨床検体のPVL遺伝子保有MRSAの分離頻度と主要な遺伝子型が明らかになった。PVL遺伝子保有MRSAによる感染症の治療と感染制御を達成するためには，全国的なサーベイランスと分離株の詳細な解析を行う必要があると考える。
Keywords	Methicillin-resistant Staphylococcus aureus, Panton-Valentine leukocidin