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日本臨床微生物学会雑誌
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書誌情報
論文名 |
Wickerhamomyces anomalusによるCVポート関連血流感染の一例 |
論文言語 |
J |
著者名 |
池戸 政博, 籠 徹 |
所属 |
名古屋鉄道健康保険組合名鉄病院中央臨床検査部 |
発行 |
臨床微生物:32(2),103─110,2022 |
受付 |
令和3年9月29日 |
受理 |
令和3年12月1日 |
要旨 |
今回我々は,Wickerhamomyces anomalus(Pichia anomala)が起因となったCVポート関連血流感染を経験した。症例は80歳代男性。発熱および排尿障害を主訴とし入院となる。来院時に採取した血液培養および入院後第8病日に抜去したCVポートカテーテル培養から同様の酵母様真菌が検出された。同定パネルにてP. anomalaと同定されたが,稀な菌種のため質量分析計による同定も実施した。分析結果はW. anomalusであり同定パネルの結果と一致した。クロモアガーカンジダ培地によるコロニー所見はCandida parapsilosisと類似し判別が困難であったが,BTB乳糖寒天培地にて抹茶色の小コロニーを呈し,主要なCandida属菌と異なるコロニー所見を呈した。よって,BTB乳糖寒天培地におけるコロニー所見は,本菌と主要Candida属菌との鑑別点となる可能性があるため報告する。 |
Keywords |
Wickerhamomyces anomalus, CVポート, カテーテル関連血流感染, クロモアガーカンジダ培地, BTB乳糖寒天培地 |
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