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日本臨床微生物学会雑誌
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書誌情報
論文名 |
Diagnostic Stewardship:DSの実践ガイド |
論文言語 |
J |
著者名 |
清祐 麻紀子1), 木部 泰志1), 口広 智一2), 高橋 俊司3), 大毛 宏喜4) |
所属 |
1)九州大学病院検査部
2)公立那賀病院検査部
3)市立札幌病院検査部
4)広島大学病院感染症科 |
発行 |
臨床微生物:32(3),145─154,2022 |
受付 |
令和4年4月20日 |
受理 |
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要旨 |
Diagnostic Stewardship(DS)は「診断支援」として,抗菌薬適正使用(Antibiotic Stewardship Program:ASP)と合わせて実践すべき重要な取り組みである。検査の工程に必要な検査前プロセス,検査後プロセスも含み,その内容は臨床検査技師だけではなく,医師や看護師などすべての医療従事者が理解しておく必要がある。検査が必要な患者に必要な検査項目を選択し,適切な検体採取や輸送を経て検体は検査室に届けられるが,そのプロセスには様々な過程があり,「適切な」検査前プロセスは繰り返しの職員教育なしには遵守できない。また,検査データの利用不足や間違った使用は患者にとって負の効果になることを意識し,検査室とInfection Control Team(ICT)やAntimicrobial Stewardship Team(AST)が連携し,院内のルールを見直し,それぞれの施設に合ったDSの実践に取り組むことが重要である。また,外部委託で微生物検査を行う際にも検査前後のプロセスに注意したい。小さな点からでも自施設におけるDSの実践に取り組み,職員教育を継続していくことで,ASPと連携した運用が構築できると考えられる。 |
Keywords |
Diagnostic Stewardship, 検査前プロセス, 検査後プロセス, 職員教育 |
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