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日本臨床微生物学会雑誌
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書誌情報
論文名 |
Miller-Jones分類とGeckler分類による小児院内肺炎の診断特性 |
論文言語 |
J |
著者名 |
樋口 徹1), 小川 英輝1), 山本(加藤) 愛2), 高橋 尚子2), 伊藤 健太1) |
所属 |
1)あいち小児保健医療総合センター総合診療科
2)あいち小児保健医療総合センター臨床検査室 |
発行 |
臨床微生物:32(3),155─159,2022 |
受付 |
令和4年1月4日 |
受理 |
令和4年3月23日 |
要旨 |
喀痰の品質管理評価法としてMiller-Jones分類やGeckler分類がよく用いられる。しかし,これらが肺炎の診断につながる喀痰の選別方法として適しているかどうかに関する検討は少ない。本研究は,気管内挿管後2歴日以降に発症した院内肺炎におけるMiller-Jones分類とGeckler分類の感度・特異度分析を行うことを目的とした。2016年4月~2021年11月にあいち小児保健医療総合センター集中治療室に入院した0~18歳までの症例で,気管内挿管後2歴日以降に気管内吸引物の培養検査が提出された症例を本研究の対象とした。院内肺炎は,半定量培養で3+以上の菌の発育があり,かつ胸部X線検査で浸潤影を認め,7日間以上の抗菌薬治療がされた症例と定義した。383検体(230例)が対象となり,そのうち18検体(18例)が院内肺炎の定義を満たした。院内肺炎に対するGeckler分類グループ4,5の感度・特異度はそれぞれ88.9%,39.5%であり,Miller-Jones分類P2・P3の感度・特異度はそれぞれ50.0%,87.1%であった。Geckler分類グループ4,5であることの陽性的中率は6.8%,陰性適中率は98.6%であった。Geckler分類は感度が比較的高く,陰性適中率が十分に高い検査であり,Geckler分類グループ4,5でないことは院内肺炎の除外に有用である可能性があった。 |
Keywords |
Geckler分類, Miller-Jones分類, 気管内吸引痰, 院内肺炎, 人工呼吸器関連肺炎 |
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